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2015.04.01 Wednesday

血。


無垢材の木種や木の部位によって塗装の仕方を変えます。

年輪や木目や節がきれいな板目材は
あえて塗料が浸透させる塗装をして
無垢材の美しさを生かします。

さらりとした柾目材は
マットに塗りつぶして色を楽しみます。
思い通りの色に仕上がります。

木材の知識は本当に奥が深い。
私はこんなしごくあたりまえのことしか言えない。
机上で得た知識なんてなんの役にもたたない。




大工さんや家具職人さんがぼそぼそと話す
無垢の木の話を聞くのが好きです。
ナラ、マツ、ブナ、タモ、ケヤキ、クリ、スギ…
彼らはさらりと言い当てる。
そして
こいつは、クセがあるやつだ、とか
このやろー、あばれちまって使えねーとか
おい、見てみろ、この木目、いいじゃねーか、とか。
まるで精神科の医者の診断のように
まるで長年付き合った友人を語るように
無垢材の性格やクセを瞬時に見極めて朴訥と語る。

ごつごつと節くれだった手で
撫でまわすように板を触りその感触を確かめる。

ふいに、べろり、と指に唾液をつけて
板にすり込んだりする。

ひょい、と板を自分の肩の上に持ち上げて
片目をつぶって反りを確かめる。

そんな姿を見ると
あぁ、男に生まれ変わったら職人になりたい、と思う。
私の曾祖父は大工さんだったと聞きました。
なにか、血というものが
あるのかもしれません。
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おしごとのこと | permalink | comments(0)

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