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2020.06.13 Saturday

思い出のレトロ妖艶インテリア。


うちの父親は昔も今も
大人しくて、優しくて、物静かで、ハンサムで
とてもとてもいいひとなのだけど
無口で、芸術肌で、つかみどころがなくて自分勝手
昭和時代に珍しかったタイプの優男
参観日に父が学校に来るとよく先生から
“おまえのお父さんは色男だなぁ”と褒められて
なんだか得意な気分になったものでした


そんな父は
子育てにまるで興味がなかった
何かの都合でしょーがなく私の面倒をみるときも
自分のペースを一切崩さず
自分の行きたい場所に私を連れていきました
それは
パチンコ屋、競馬場、馬券売り場にスナック
今なら虐待だーそれみたいなところ
文章にしちゃうとロクデナシオヤジみたいだけど
そこには悲壮感なんてぜんぜんなかった
私は自慢のかっこいい父と一緒なのがうれしくて
パチンコ屋に行けば落ちている玉を拾い歩いて
いそいそと父の打つ台に献上し
馬券売り場では落ちてるはずれ馬券を集めて
札束のようにして遊んだりした
競馬場では肩車でオジサンたちの頭上から馬を見学
パチンコの景品はいつも山盛りガムとチョコレート
子供に関心はないけど
無責任に優しかった父と過ごす
貴重な時間を楽しんでいたような気がします


父が連れて行ってくれた場所で
いちばん印象に残っているのは
小さな場末のスナック
そこは薄汚れた薔薇模様の絨毯に赤い別珍のソファ
四角いカタチのビーズシャンデリアに
くるくる廻る小さなミラーボール
カウンターの奥の大小の酒瓶とピカピカなグラス
壁にはビール片手ににっこり笑う水着のポスターの女
昭和独特の毒々しくて妖しい空間は
強烈に私の脳裏に焼き付いていまでも残っている
香水の匂いのするおばさんが出してくれた
バヤリースオレンジとさきイカの組み合わせは
ほんとに最悪だったけどイヤな気分ではなかった
狭いホールでチークダンス踊るひとたちを
暗い照明の中きらきらひかる天井を見上げながら
ソファにあいたタバコの焦げ穴に指突っ込んで
茶色の中綿をひっぱりだして遊んだことさえも
なんだかはっきりと覚えていて
あの妖しい空間が気に入っていたのだなーと思う
父はとーっても変わってる親だったけど
私もかなり変わった子供だったようです


大人になってインテリアの仕事について
いちばん好きなスタイルは?と聞かれたら
昭和レトロ、と答えます
あの時見た妖艶なインテリアと雰囲気
本場本物を見て大きく衝撃をうけたことが
意識の奥の奥の方で
私に多大なる影響を与えたのでしょう
とーちゃん貴重な体験を
よくわかんないけどありがとう笑

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