昔、よく公園で見かけた
水飲み用の上向きの水栓の不思議な形状が
妙に子供心にひっかかって
しげしげと眺めたものです。
水栓は下を向くという常識に反した
万有引力の法則を無視したあのカタチ。
手足を洗うこともできず
水を溜めることもできない。
“水を飲む”という行為のためだけの
シンプルなあのカタチ。
本日の画像は
2階のファミリーホールに造作した手洗いコーナー。
“手を洗う”という行為のみのために
シンプルの極みなデザインにしました。
造作する、ということは
自由にオーダーして思い通りにできるので
ついついあれもこれもと欲張ってしまいがち。
タイルも貼りたい、鏡をつけたい、ティッシュボックスを置きたい、
扉をつけて収納にしようか、
なんなら歯ブラシを置く棚をつけようか…
そんなふうに考えるうちに
デザインはどんどんと
シンプルではなくなっていきます。
でも
そこで何をするのか、という基本のキにかえって
そのためだけにデザインする、というのも
私は好きです。
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