彼との久しぶりの再会だった
予期せぬふいの出会いに
私はひどく狼狽した
でも体は反射的に彼を追った
待って待って待って
無言で逃げる彼の背中を追う
ここで彼を見失ったら私はきっとまた
モヤモヤした感情をひきずることになる
ねぇ、待ってよ、待ってったら
ようやく彼はドアの前で足をとめた
そこにいるんでしょう、
わかってる
でももう会わないほうがいいね
あなたを見ると私
どうしようもなく動揺してしまうの
かすかに彼の黒い背中が動いたのは
気のせいだろうか
さよなら
もう二度と
会いに来ないで
そういうと
手にした
ゴキジェットスプレーを
彼の黒い背中に噴射した
2018.08.02 Thursday
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